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恩田陸さんの「チョコレートコスモス」

恩田陸さんの作品はかつて「夜のピクニック」を読んでおり、他の作品も呼んでみたくて手にとったのが「チョコレートコスモス」でした。

まず最初にハッキリと感想を述べます。最高でした。

恩田陸さんの状況の描写は本当に素晴らしいと私は思っていて、スッと難なく想像でき、まるでその場にいるような感覚になれるのです。

この作品は舞台女優を目指す劇団員が主軸に描かれており、その少女というのが才能に溢れた存在で、読者も「次は何をしてくれるのか、彼女はどう表現するのだろうか」と終始ワクワクさせてくれるのです。

舞台上で繰り広げられるお芝居はスピード感も満点。自然と鼓動が早くなってしまう。こんな作品ははじめてでした。

オーディションのシーンでは何人かの人物のお芝居を文字で追うことになるのですが、同じ内容のお芝居でもそれぞれの表現と解釈でお芝居が進むので退屈だと感じることも全くありません。

そしてなによりその複雑な状況が文章で美しく綴られているのだから素晴らしい。それぞれの女優の表情、仕草もうまく表現されているので、まるで自分が審査員席にいるような高揚感と期待感でいっぱいになりました。

クライマックスはもうページをめくる手が止まりませんでした。

「夜のピクニック」と同様にとても爽やかなしめくくりになっており、最後まで安心して読める作品でした。

恩田陸さんの作品は不思議な世界観も一つの魅力ですが、この作品は夢に向かって歩んでいる人の心に深くささる非常にまっすぐとした作品です。