お金を貯めよう

鳥肌が

歌人である穂村弘さんのエッセイ集です。

まず、表紙にある黒いウサギを抱えた女性の絵の上に、謎の点々。これは何だろう、点字かしら、それにしてはウサギの部分にだけは点がないのはどうしてだろう。なんだかもう意味深、そしてタイトルと相まって、ちょっとした猜疑心さえ沸いてきます。そして本を読んでから納得するんです。あ、これは鳥肌なのかと。

歌人なので言葉の使い方が巧妙なのはもちろんですが、感覚もやはり優れているのか研ぎ澄まされているのか、それとも極度に控えめな穂村さんだからなのか、誰にでも日常に起こりうる出来事が、こんな風にも見えるのかと驚き以上に感心します。一見ほのぼのとした光景さえも、その想像力とゼロでない可能性を思うと、タイトルの意味がよく分かります。本当だ、言われてみると確かに怖い、と自分の鈍感さに安堵さえしました。

それで、その続きはどうなるの?というところで話が終わってしまったりするところも、また鳥肌を増長させます。

分かりやすい怖さではなくて、ちょっと考えてみると、でも普通の人なら考えもしないようなところに怖さを見つけ出してしまう、穂村さんの感受性の強さとアンテナの高さ、にもかかわらずちょっとダメ人間的なご本人のギャップに、不思議さを感じます。でも、なれるなら友達になりたいです。

わはは!と笑える本ではないけれど、とても面白いです。